王華総領事の建国61周年記念日の祝賀レセプションでのスピーチ
2010/09/29
 

 ご列席の友人の皆様、今晩は!

 このたび、中華人民共和国建国61周年に当たり、皆様と一堂に会し、共に祝う機会を頂き、非常に嬉しく、また大変光栄に思っております。ここで、私は中国駐新潟総領事館を代表し、新潟、福島、山形3県で生活している1万5千名余りの中国同胞に対し、謹んで祝福の挨拶を申し上げ、またご多忙の中祝賀レセプションにご出席くださった皆様に心から感謝の意を表し、長い間中国の発展にご関心を示し、中日友好事業及び中国と新潟、福島、山形3県の友好関係の発展に積極的にご尽力頂きました各界人士の方々に、心より御礼申し上げます。

 新中国建国以来61年間、とりわけ改革開放以降の30数年にわたり、中国は激動の時期を経て、社会的・経済的に広い範囲で大きな変化が生じ、世界中の注目を集めるほどの発展を遂げました。国家の経済力と総合的な国力は大いに高まり、中国社会の文明的なレベルは大幅に上昇し、人々の暮らしは著しく改善され、衣食問題の解決というレベルから全体的にゆとりのある生活というレベルの目標を達成しました。2008年北京オリンピックが大きな成功をおさめたのに続き、今年、上海では人類の平和的な発展の催しである世界博覧会を開催し、絶え間なく発展し、そして活力あふれる中国を全世界に示しました。同時に、中国は一貫して平和的な発展の道筋を辿り、積極的に国際的な役割をつとめ、世界各国と広い範囲にわたり交流を進め、各領域の交流と協力のすべてにおいて実り多い成果を得ました。

 しかし他方では、中国は国内総生産こそ世界の上位に位置しますが、1人当たりのレベルは比較的低く、日本の10分の1程度です。中国の経済はすでに30年余りに渡り高い水準で成長を続けていますが、一層の発展のためにはエネルギー、資源、環境の制約を受けます。中国沿海地域と一部の大中都市は近代化に成功し、繁栄していますが、中西部と広大な農村地帯の多くの地域は依然としてかなり立ち後れ、1.5億人は国連の定めた貧困ライン以下で生活しています。人々の生活は大幅に改善されましたが、社会保障システムは不健全で、雇用の面でかかる圧力は決して小さくありません。総じて言えば、依然として中国は社会主義の初級段階にあり、未だに1つの発展途上国と言えます。

 今後中国は、引き続き経済の発展に力を注ぎ、経済発展の方式を転換し、経済構造を調整し、バランスよく、持続可能な発展の道を歩みます。改革開放の道を堅持しつつ歩みを進め、科学的な発展、平和的な発展、調和のとれた発展を追求してゆきます。引き続き世界各国との経済協力と貿易を拡大し、相互に有益な開放戦略を堅持し、世界各国と共に発展することに力を尽くして参ります。

 中日両国は一衣帯水の隣国であり、共にアジアにとって、また世界にとって重要な国家として、2千年以上の友好的な往来の歴史があります。中日関係の健全かつ安定した発展は、両国の国民にとって共通の願いであり、アジア・太平洋地域と世界の平和を守り、地域の安定と繁栄を促すことにもつながります。いま、両国は新しい発展の段階にあり、互いを求め、そして融合しようとする動きは絶えず深化し、さまざまな分野における協力関係に新しい発展のチャンスが訪れようとしています。両国関係は時にはさまざまな問題や摩擦が起こることもありますが、平和、友好、協力は今なお両国関係の主題で、今の時代の主旋律でもあります。両国の政府と各界人士が共に努力し、中日関係はこれからも困難を乗り越えるたびに、新しい活力と原動力を得て、両国のさらなる発展が実現するとわたくしは信じています。

 新潟、福島、山形3県は日本の中部地方のなかでも重要な地域で、物産と資源が豊富で、産業にも特色があります。30数年来、この3県は中国特に東北3省との各分野の交流と協力で多大な成果を得ました。このたび中国政府が新潟に総領事館の設立を決定したことは、中国が新潟県および福島県、山形県とのつながりを非常に重視している、ということを表しています。開館してから3ヶ月ほど経ちますが、頻繁に相互訪問が行われ、政治、経済、文化など、各分野での交流は盛んに行われています。この場をお借りして、平素皆様から総領事館への多大なご協力とご厚情に、深く感謝の意を表したいと存じます。今後、総領事館は皆様とともに 、存分に両国の優位性を発揮し、互いの潜在力を深く掘り起こして、中国と新潟、福島、山形3県との交流と協力が新しい段階に進むよう絶えず尽力する所存であります。

 最後になりますが、中日両国の友情が末永く続き、共に発展し、中国と新潟、福島、山形3県との交流と協力が増進し、新たな段階へと進むこと、そしてご出席いただきました皆様方のご健康とますますのご活躍を祈念いたしまして、わたくしの挨拶と代えさせていただきます。

 ご清聴どうもありがとうございました。

2010年9月28日